生まれ変わり (上)

七月七日どこに向かおうとしたのか。目標もないままただ突き進んだ二十三年前。 誰になびくわけもなく、自分中心で地球が周っていると思い込んでいた十九の頃。大人達に真正面から反発し英雄気取りで背伸びをしていた夏。離婚した親の生き方を否定し父を呪い…

生まれ変わり 「上」…つづき

グレーのタイルに覆われた七階建てのオフィースビル。その四階に株式会社大国の事務所がある。ネオン街から車で五分そこそこの距離だというのに辺りはひっそりと静まりかえっていた。革靴の足音だけが響く。 ビルの正面入り口をぬけるとすぐ右手に管理人室が…

相変わらずであった‥。 「みんな、メシ食えてるの?」「カラダは‥?」 もう六十代になろうとしているにもかかわらず、朝から夜中の二時過ぎまで働いている。純粋に自分のことよりも人のことばかり気にかけ、周りの幸せを心から喜ぶ女性である。二十代の頃、…

先日の花火大会は綺麗なものだった。 というか、ベランダからなのだが‥(汗 夏の夜に、夜空に打ち上がる花火を見上げながら賑やかな人の群れに混じって歩く。ひとつ年上の女の子と恋のまね事をしていた僕は、川原へとむかい、僕の背よりも高いススキ野原をあ…

井の頭公園や上野公園内をブラリと歩いていると、ふと自己表現の天才たちと出会うことがある。 自然な空の真下で、『大道芸人』の彼らは自分たちの体を使い自分たちの世界を表現し自由な空間を見出していた。閉塞的な世界の中で束縛された日常を生きるモノた…

構造計算書 6月26日(布基礎)(給排水ガス配管工事) 6月30日(内部土間)(足場) 7月10日(建前) 7月17日(造作工事) 7月21日(水切、見切) 8月10日(内外装) 8月16日(器具取付、照明) ⇒

映画館で邦画は観ない性質(たち)なのに、今月になってからつづけざまに邦画を観にいっていた。過去の記憶を引きずり生きるものと記憶を忘れてしまうものの対照的な二作品であった。 明日の記憶 嫌われ松子の一生 記憶というのは不思議なものだと思っている…

昨日より、しばらくの間、酒が飲めなくなってしまった。虚しい‥ 暇な時間が出来ると、つい呑みたくなってしまうのが心情である。 仮に、今夜むりにそんな酒を飲んでみたところで、健康でもないカラダは美味しいとは思ってくれないだろう。 旨い酒をはやく呑…

しばらく暴飲暴食の日々がつづいたせいか、体がかなり重く感じられるように思えた。 せめて休日くらいは健康に気を使わなければ…と思い、体に良いものを作ろうかとこころみる。 ㊙レシピー 牛乳1リットルにレモン汁二個分のカスを茶こしで取り除く。金が無…

“ガラガラ”と、引き戸の開く音が聞こえた。のれんをくぐり男が顔を覗かせた。 「遅くなったな」 「いや、俺もたった今、来たところですよ」 数日前に会ったばかりというのに男の肉体は、またひとまわり痩せているように思えた。http://d.hatena.ne.jp/namgen…

ある一つの出来事を契機にして、次々に関連して出来事が生じる事=連鎖反応という。 とくに悪い事は、相次いで起こりやすいものである。アスベスト問題につづきリフォーム詐欺が起こり、今また“耐震強度偽装問題”で騒がれている。 ヒューザー、イーホームズ…

平成十七年 十二月十二日 偶然なのか宿命であったのか。何にせよ『死とは』はかないものである。 少々のことでは動じなくなっていたはずの俺が、テレビのニュースに映る画像をみてこわばった。 「生まれ変わり」の友が、またもや悲劇な死をむかえていた。ま…

生まれ変わり‥DESTINY